継続的改善

品質システム

ここでは、ISO9001などの品質システムで良く使われる「継続的改善」について考えてみたいと思います。

ISO9001の品質システムを導入し始めのころは、何かと継続的な改善について論議がなされ、事あるごとに関係者の間でキーフレーズのようにもてはやされていました。このため、私の個人的なイメージですが、日頃からこのワードを耳にして何かと対処していたので特別なフレーズに聞こえますが、実際はそれほど難しく考える必要はありません。

継続的と改善の意味

そもそも「継続的改善」のワードは、ISO9001の中にも10.3項の中で説明されています。

「組織は、品質マネジメントシステムの適切性、妥当性及び有効性を継続的に改善しなければならない。組織は、継続的改善の一環として、取り組まなければならない必要性又は機会があるかどうかを明確にするために、分析及び評価の結果並びにマネジメントレビューからのアウトプットを検討しなければならない」
とあります。

ここでいう、適切性とは、「目的に対して正しい活動がなされているか」を確認することです。
また、妥当性とは、「目的に対して量的に過不足がないか」を検証していきます。
過去にお話しした、有効性と効率性の中での適合性との混同されるケースがありますが、これらとは意味合いが異なります。

適合性はコチラ・・・(要求事項との合致の度合い)   また有効性と効率性についての解説

有効性と効率性について
みなさん、KPIの設定は上手く行われていますでしょうか。品質マネジメントシステム(QMS)においては、各プロセスの活動として何らかの目標値を決定して測定を行い分析されているかと思いますが、その中でもパフォーマンスに「有効性」や「効率性」など...

このため、少しニュアンスが異なる点に注意しておきましょう。
とは言っても、継続的改善の基本となる活動指針はパフォーマンスを測定し、それをさらに良く仕様という精神(実際には手段)のもとで繰り返し検証していく活動です。この指標となるのは、プロセスの中では有効性と効率性が重要視されます。

このため、業務プロセスに対するパフォーマンスのモニタリングとして有効性や効率性はプロセスアプローチの手法を活用しながら考えておく必要があります。

プロセスアプローチ
ここまでは、プロセスについてのお話をしてきました。過去の「プロセスとは」については、インプットとアウトプットにもフォーカスを当てて、業務の内容や流れを明確にすることで、そのあり方を見える化することにあります。こちらは下記も参照いただけると基...

それと継続的の文言を組み合わせると、次の3つが主なポイントであると考えられます。

・定期的に確認する
・確認する内容はプロセスのパフォーマンス
・確認にはマネジメント層も参画した基本方針の整合を行う

といった感じで「継続的に繰り返してパフォーマンスをチェックしていますよ」ということを見える化して示すことが大切です。
定期的とは、測定パフォーマンスにも依存しますが、月1回程度~4半期~上下期とレベルにわけることが望ましいでしょう。例えば、工程内の製造指標なら毎月、財務指標や社内全体の品質状況を幹部報告するなら、4半期もしくは半年に1回程度などです。

追加オプションによる考え方の補完

実は、自動車関連におけるIATF16949では、この要求に対して追加要求があります。

「組織は、継続的改善の文書化したプロセスを持たなければならない。組織は、このプロセスに次の事項を含めなければならない。
 A) 使用される方法論、目標、評価指標、有効性及び文書化した情報の明確化
 B) 工程バラツキ及びムダの削減に重点を置いた、製造工程の改善計画
 C) リスク分析(FMEAのような)
  注記 継続的改善は、製造工程が統計的に能力をもち安定してから又は製品特性が予測可能で
    顧客要求事項を満たしてから実施される」

と言ったものです。ISO9001では、ここまでは要求されていませんので必須ではありませんが、実は、この考え方の背景から捉えると、

・文書化
・バラツキとムダの削減
・リスク対応の検討

といった、重要なキーワードが明確に指定されているのです。つまり、もう少しかみ砕くとパフォーマンスを測るために、
・記録を取りなさい(基本的には文書管理を行って、その中で記録やデータを保管する)
・ムダに着目した成果を考えなさい(有効性と効率性だけでなく、7大ムダの考慮なども)
・バラつきを考慮した安定性を検討しなさい(そのための統計的な分析など)
・リスクについて考えて、FMEA等の分析や上手く行かないケースへの対処方法を明確にしておきなさい
というアクションを要求されており、ガイドライン的に解説されているのです。

自動車とまで行かなくても、ISO9001において、この考え方のベースを持っておくと、実運用的にも進め方が基本的にクリアしやすいです。

つまり、「継続的改善」を実施するには、このような考え方をバックグラウンドに考慮して推進しておくことで、上手く進めていることをアピールできることが非常に多いです。また、実際に品質マネジメントを推進する上でもこれらの考慮は重要な運営指針につながります。

なので、みなさんがモノづくりの品質管理としてパフォーマンスをチェックするにおいて、有効性の達成度合いや成果の内容の中に、ムダを測定するよう指標やバラつきについての検証として、例として統計的な検証を行って測定する。そしてリスクについて列挙しておくなどを議論したレビュー会を開催して、その議事録をしっかり取っておくという手法を毎回繰り返して記録しておくことで、この継続的改善の形式的には実施した感じになります。

このパフォーマンスがKPIとして、どれくらい合致しているのか、または、どれくらい乖離しているのかで、次の課題を整理しつつ、新たなる目標の設定(継続でも可)に対する根拠を見つけます。

根拠を明確にしていくことで、目標の妥当性が説明できることになりますので、これらの記録を注意しておきましょう。こういった考慮を進めておくことで、概ねの継続的改善のポイントはおさえた形になります。

あとは、みなさんでの実績による分析により、如何に進められるかの中身となります。
また、「継続的改善」ということをイベントとして捉えることで、続けて実施できる「しくみ」づくりを行っていきましょう。

それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました