QC検定は、QC部門だけのものか？

モノづくりのための基本
受験のすすめ
QC検定４級テキストは入門書

モノづくりのための基本

結論から言います。
QC検定の資格を云々と言うより、これについて勉強することは、全てのモノづくりに関わる人材にとって必要とされる要素が詰まった資格でした・・・ということが私の見解です。

少しまどろっこしい言い方をしていて、それは別の機会にもお話しますが、それは当時はそんなことを気にもしなかったという感じであったためです。（そこは日本規格協会様ごめんなさいってな感じです・・・）

つまるところ、モノづくりとして活動しているみなさんにとって有益であり、そこにある知識・見解はすべての従業員が備わっていないといけないと感じています。

そこには、理系や文系で入社してくる若手や新人のみなさん、だけではなくベテランでも経験があっても、モノづくりには「品質」という概念は基本的には備わっているからです。

その品質は、どこから作られますか？　を考えてみましょう。

営業のみなさんなどにおいて、その品質は、顧客からの要望や市場のニーズ・シーズを検討する上でも、どのようなモノづくりをしていくのか、まさしく源でもあります。

設計・開発などでも品質を考えないコンセプトや設計は、おそらくゼロに等しいでしょう。

生産管理や製造に携わる現場においても、まさしく品質が損なわれるようなモノづくりはしないでしょう。

ましては品質管理や品質保証に関わる方々にとっては、中核となる知識と技能となります。

アフターサービスや物流でも顧客満足を考えない活動はしないでしょう。

これらによって一例から鑑みても、モノづくりに関わる人々にとって、品質の概念は必要不可欠です。ただ「品質管理」という名前から、QC検定＝品質管理検定は、品質管理の部門には必要なのかも知れないが、他の部門では特に必要ではないのだろうという先入観的な考えがあるのかも知れません。

そこで、このQC検定という中身を見て行きましょう。
QC検定自体は、日本規格協会が運営している民間規格になり、詳細はこちらから「QC検定」を選択していただくと試験の詳細などが確認できます。

日本規格協会 JSA GROUP Webdesk

日本規格協会グループ公式ウェブサイト「JSA Webdesk」のページです。日本産業規格JISや国際規格ISO・IEC、海外規格ASTM・BS・DIN・ASME・UL等の規格販売。品質管理や信頼性等の管理技術、ISOマネジメントシステム、標...

大きな枠組みで言うと、QC検定の対象分野には、このような知識が学習できるものと考えられます。

品質管理の概念は、コンセプトメイキングに活かされます
品質管理の概念は、顧客要求を整合する際にも必要です
品質管理の概念は、資材を調達する際に大切な要素となります
品質管理の概念は、設計活動のあらゆるシーンでシステム化されています
品質管理の概念は、モノづくり現場で基本となる活動を組入れています
品質管理の概念は、品質保証に欠かせません
品質管理の概念は、みなさまにお届けするものであり、みなさまの声が返ってきます

これだけ言ったら、もう、おわかりですよね。さまざま部門のみなさんでも、「品質管理」というもの言葉で先走って抱いていたイメージではなく、モノづくりの根幹としての必要な知識が得られる資格なんだと。。。

受験のすすめ

ここまでお話してきて、あらゆる部門が、モノづくりとしての活動において必要な知識が習得できる資格であることがわかってもらえたのかと思います。

しかし、一方では、品質管理部門や設計、購買、営業などでは、それぞれ必要な知識やレベルが違うのではないのか、と言った疑問もあることでしょう。

そこで、少し深堀りして、このQC検定の資格としての在り方を見てみましょう。
資格には４段階のグレードがあって、４級から上位にしたがって１級（準１級を含む）があります。

級	対象	求められる知識・能力
１級・準１級	品質管理のリーダー・指導者	高度な品質保証・統計的手法
２級	技術者・監督者	実務レベルの品質管理・改善活動の主導者・指導
３級	一般社員・現場メンバー	基本的な品質管理手法
４級	学生・新入社員	品質管理の入門知識

このような感じで各階級で対象者となる事例と求められる能力が細分化されています。つまり設計・開発部門であれば３級～２級くらいは欲しいところ、新人であれば４級からチャレンジしてみよう、営業や購買部門であれば、４級くらいを知っておけば良いのでは、と言った感じで部門によって求められるものが異なってくることにも対応していて、これをステップアップすることで上位階級へとグレードアップするのです。

なお、個人的な所感もあるのですが、一般業務として、一般的には１級は論述問題もあり、相当な難易度でもあります。これが上位にふさわしいのは事実でしょうが、リーダークラスであっても２級程度があれば申し分はないスキルレベルではないかと肌感覚では感じます（無論、その上を設定しているところがミソなのかも知れませんが）。

そういう意味で、部門内での業務にもいろいろあるのは認識もしていますが、概ね部門的に仕分けると、

級	営業	購買	設計/開発	生産技術	製造	品質管理	物流	サービス
１級・準１級			△	△	△	△		△
２級			○	○	○	○	△	○
３級	△	△	○	○	○	○	○	○
４級	○	○	○	○	○	○	○	○

といった具合にある程度は取得の指針になるのではないかなと思います。
（○：取得にチャレンジした方がいい。　△：可能ならより深い知識のためのステップアップに）

QC検定４級テキストは入門書

先述したように、あらゆる部門でモノづくりに対する基本的な品質の概念を得られる「QC検定」ですが、まずは４級からでも、知っておくべき知識は盛だくさんです。

ちなみに、QC検定４級で求められている学ぶべき主な内容としては、
品質管理一般（品質優先、問題と課題、クレーム管理等）、管理活動、仕事の進め方。PDCA、SDCA、（統計的）改善、QCストーリー、ムダ・ムリ・ムラ、小集団活動、重点思考とは、工程管理、４M管理、異常とは、検査とは、適法・不適合、ロットの合格・不合格、検査の種類、標準化、データの基礎、データの種類（計量値、計測値）、データの取り方・まとめ方、平均と範囲、QC７つ道具、異常値、ブレインストーミング、製品とサービス、職場における総合的な品質（QCD＋PSME）報連相、5W1H、三現主義、５ゲン主義、5S3定、安全衛生（ヒヤリハット、KY活動、ハインリッヒの法則）規則と規準、企業生活のマナー　などなど

となっています。４級は基本的な内容がほとんどかと思います。恐らくモノづくりの企業さんに入社された方なら多くの言葉を聞いたことがある内容かとも思いますが、十分な理解と実践での活用を意識して設問に回答していかないと思わぬ落とし穴もあるので、しっかり勉強する必要もあります。

４級用のテキストは、日本規格協会クループの公式ウェブサイト内のQC検定にて「４級テキスト」が左側サイドバーで閲覧することができます（利用規約上TOPページをリンクしておきますので参考にしてください）。