プロセスアプローチ

品質システム

ここまでは、プロセスについてのお話をしてきました。過去の「プロセスとは」については、インプットとアウトプットにもフォーカスを当てて、業務の内容や流れを明確にすることで、そのあり方を見える化することにあります。こちらは下記も参照いただけると基礎的なことが学べるかと思いますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

プロセスとは
いったい「プロセス」とは何のことを指して、何をどのようにすれば良いのだろうか。まずは「プロセス」と言う言葉で求められている意味から知っていくと良いでしょう。ISO9001での定義上は「インプットをアウトプットに変換する。相互に関連するまたは...

ところで、プロセスアプローチという言葉については、この基本的な考え方を中心に、発展的に視点をマクロ的にかつミクロ的に活動していくことにあります。ただ、プロセスを作ったから、出来上がったと思っていては、片手落ちでしかも一方通行的で実際の業務においてもうまく進まないことが多々あります。
この「プロセス」が上手く構築できて、運用できるレベルとなっているかをレビューし、フィードバックしながら整合することが大切で、これこそがプロセスアプローチの神髄となってきます。

ですから、ここでは確実に動かせるプロセスづくりをして、運用するということが「プロセスアプローチ」であるということを理解して、活用していただけるようなお話をしていきます。

プロセス間の連携を考える

まずはマクロ的な視点からです。全体的なモノづくりの流れを考えた場合、個々の部門が活動する個々の「プロセス」について構築してきたわけですが、これらのインプットとアプトプットがしっかり関連する「プロセス」と連携が取れていますでしょうか。
このチェックが「プロセスアプローチ」としての前提であり、「インプット」と「アウトプット」にフォーカスを当てる「プロセス」作りの基礎となるわけです。
ぜひ、ここは忘れないようにチェックをして行きましょう。

自部門で構築した「プロセス」のインプットやアプトプットは必ずしも一つのプロセスと都合するわけではないので、一対一の関係で考えるのではなく、多対多の関係も視野に入れてチェックすることが必要となってきます。
この関係を構築しておくことで「プロセスアプローチ」の基礎が出来上がります。
もし、前工程側のアプトプットと後工程側のインプットが上手く整合できていないとなると見直さないといけませんね。

プロセス内のパフォーマンスを考える

次にミクロ的なお話で、こちらは構築した個々のプロセス内に目を向けます。

実際に業務のパフォーマンスを明確化するためにも、推奨してきたタートル図に注目したお話もしてきました。こちらは下記を参照にしてみてくださいね。

タートル図
タートル図とは、モノづくりの流れの中で、個々に分けられたフェーズをもとに、「プロセス」として明確化された業務分野について、アウトプットを如何に効率よく運営していくか、また見える化するかを示したチャートとなります。必ずしも必須とは限りませんが...

これらの業務を推進する上で作成してきた中に、「誰が」「何を用いて」「どのように」「どれくらいに」パフォーマンスを導き出すかを明確に説明できるかを、次の9つのステップでチェックしてみることが大切です。

ステップ1:目標とする結果は何か

これは、アプトプットとして適切なものであるかどうかを確認するというものです。これはマクロ的な視点に立ったチェックに通じるところがありますので、先に述べた次のプロセスに何を引き渡すことで、全体のモノづくりの流れに整合されていることが大切です。

ステップ2:その結果をどのような指標で管理しているか

アウトプットを出していくための活動は計画的であり、その有効性が評価されていて、かつ効率的なものではないといけません。つまり、パフォーマンスよく活動できているか測定できるものがあってこそ、その活動が適切であることが判断されるわけです。つまり個々のプロセスのKPIの項目が適切であるかを確認してみましょう。
KPIについての設定についてはこちらの解説も参考にしてみてください。

品質方針とKPI
ここでは、品質方針とKPIについて、考え方を学んでいきましょう。品質方針とは企業の品質を高めるための一歩として、品質方針を明確にしておくことが大切です。これは、従業員が方向性を迷うことなく、ある目的を達成させるためにTOPダウンとしての責務...

ステップ3:どれくらい(Measure)の監視ができているか確認しましょう

KPIの項目についての妥当性が確認できたら、その監視をしていきましょう。そして、実際の達成度、出来栄え、さらには効率よく運営できているのかは、KPIとして数値的なものとして図られているでしょうから、それらKPIがどのような進捗具合なのかを具体的に記録していきましょう。これが効性を測るということであり、効率性を測るということになります。プロセスのパフォーマンス測定に対しての有効性や効率性の設定の考え方については下記の記事も参考にしてみてください。

有効性と効率性について
みなさん、KPIの設定は上手く行われていますでしょうか。品質マネジメントシステム(QMS)においては、各プロセスの活動として何らかの目標値を決定して測定を行い分析されているかと思いますが、その中でもパフォーマンスに「有効性」や「効率性」など...

ところで、有効性や効率性はうまく進んでいますでしょうか。実際の測定結果を見てみてください。

ステップ4:目標未達の原因や過達の原因はないか

上手く進んでいればステップ4は軽く飛ばしてもらっても構いませんが、打ち出した目標は未達であっても、行き過ぎても本当はよくありません。基本は目標どおり進んでいることが、この「プロセスアプローチ」では大切です。
もし、目標からの乖離があれば、その原因を探って次のステップに進みましょう。またはさらに良くする方法などがあれば、それを具現化していきましょう。
(その改善についてはステップ8でも必要となってきます)

仮に、目標からの乖離しているような項目があれば、それが何か、どのような問題点があって、課題を克服するには、どのように対処すべきかを考えましょう。一過性なものもあるかも知れません。当然上手く行かないケースもあるかも知れません。

ただし、ここでは目標が乖離していることが問題ということではなく、なぜ、乖離しているのかの原因を探求することに力を注ぎましょう。

そして、これらの原因を人を責めることはなるべく避け、このプロセスを運営しているシステム(仕組み)にあるものと分析しましょう。
例えば、人がミスをしたことによる原因で問題となったのであれば、それがスキルや知識として不足していたものとすると、教育としてのシステムに問題がなかろうか、以降のステップにつながりますが、システム的な問題点を課題をするような考え方にマインドチェンジして課題が設定できるように見据えて原因を深堀りしていくことが望まれます。

ステップ5:目標達成のための人材は適切か

実際にプロセスを進捗させるために必要な人材はそろっているかを確認しましょう。これが「誰が」というチェック項目になります。よくいう「人がいない」とかでは、マネジメントが適切でないとみなされてしまいますので、そのアプローチは避けるべきです。ならば、現状の分析として、どのような点で不足しているのか、それをどのように補完しているのか、今後の計画はどのようにしていくのかを明確にしておくべきです。

そして、これらの材のスキルとしても目をつけておきましょう。不足している点で研修や習熟によってスキルを上げて行くことで、その組織のリソース力を向上させることも必要で、そのような仕組みを作っておくことが求められます。組織の成長を促すためにも人材育成にも力を入れているのか、またスキルにおいても複数名が保有している形に計画することが大切です。いわゆるメインとサブみたいにメインが不測の事態で対応しきれない場合にカバーし合える体制に整えておくことが必要です。

ステップ6:目標達成のためのインフラストラクチャーは何か

これは「何を用いて」といったカテゴリーで、いわゆる「物的資源」になります。設備やシステム、情報が対象となりますが、プロセスを進捗させる上で、必要なインフラを整えることが大切ですので、これらが整備されているのかもチェックしましょう。その際には、必要な「物的資源」は必ず管理され、適切にメンテナンスやレビューされている記録が必要です。

もちろん、この資源においては「金」も管理される必要があります。第三者監査的には、この「金」の側面でのチェックは品質とは直接関与しないところもありますので深堀りされることはありませんが、「物的資源」構築においては必要なリソースとなりますので、こちらは実運用する上でも同様な管理が必要となります。

ステップ7:目標達成のための必要な基準・手順・標準・計画は何か

これは「どのように」のカテゴリーに相当するものです。この基準構築には、ルール・規程を明確にしておくことが前提でもありますが、それに従った運営が出来ているか、つまりどのようなルールを用いて、このプロセスを進捗させるのか見える化しておくことが大切です。
規程やルールについてはこちらも参照してみてください。

規程類(ルール)
全体の規程と各部門ごとの規定規程とは、その組織として全体の枠組みの中で定められたいわゆるルールです。規定とは一般的にはその中にある条項としての細かい制約のことを言います。このため、「規程」と「規定」との違いをあまり理解しないで、ルール作りを...

また、実務的には手順や計画なども明確にして活動していくことで、この実務が適切な人材によって、これらの手法を駆使してプロセスを遂行することができることの証明にもなります。

大切なことは、これらの基準構築において、標準化や文書化ができているかにあります。このため体系的なルールとして管理されるべく、文書番号とか必要時にすぐ取り出せる仕組みづくりを行っておきましょう。最近では電子化も進んできていますが、必要なルールが検索などで取り出せるといった形でもベターかと思います。

ステップ8:どのような改善計画・是正処置が展開されたか

これは、ステップ4から7までの目標値に対しての問題がある/なしに関わらず、そのプロセスをさらに良いものにするための必要なステップとなります。

もちろん、目標からの乖離しているような項目があれば、ステップ考察した原因基にそれが何か、どのような問題点があって、課題を克服するには、どのように対処すべきかを考えましょう。一過性なものもあるかも知れません。当然上手く行かないケースもあるかも知れません。

ただし、ここでは目標が乖離していることが問題ということではなく、どのように目標に近づけるかの課題に重視して、次なるアクションが取られていることが重要です。

この次なるアクションが打ち出せていることに監査する側もフォーカスを当てています。

決して、上手く行っていないからといって、それらを隠したり、改ざんしたりしてはいけません。目標値の見直し自体は、過去の背景や将来の予測を反映しての根拠か明確であれば、次なるアクションの内でもありますので、その記録があれば問題とはなりませんが慎重に行いましょう。

大切なことは、より良くすることであって、その計画を打ち出していくことが品質マネジメントシステム(QMS)としては重要になってきます。いわゆる継続的改善のひとつとなってきます。

ステップ9:是正処置や改善計画がどのようにフォローされているか

最後のステップです。継続的改善については、モノづくりの流れの中で有効性や効率性をより良くするための品質マネジメントシステム(QMS)の中でも重要なアプローチのひとつであると言いました。
これが適切に運営されているのか、定期的に何をフォローしているのか、そのチェックとしての記録やそこで確認されるアクションなどを見える化していくことで、初めて有効性や効率性が適切に測定され、次のアクションに活かされていることを示していくこととなります。

まとめ

これらのパフォーマンスに基づいたプロセス推進活動が「プロセスアプローチ」を実践していることとなります。業務が明確になった、インプットとアウトプットが可視化できたというだけではなく、実際に適切に運用されていることを上記のステップを用いて活動できるようにして行きましょう。

せっかく構築して運用してきたプロセスアプローチですから、常に状態をチェックして、より良いするものへ進化できるようにマネジメントして行きましょう。

今回もご覧いただきありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました