有効性と効率性について

品質システム

みなさん、KPIの設定は上手く行われていますでしょうか。品質マネジメントシステム(QMS)においては、各プロセスの活動として何らかの目標値を決定して測定を行い分析されているかと思いますが、その中でもパフォーマンスに「有効性」や「効率性」などを求められるケースがあります。これが適切なのか今ひとつピンとこないケースもあるのではないでしょうか。

KPIの設定というと、組織の目標を作って、それに合わせた進捗度合い、つまり達成度を測るという形で「目標が達成できた」とか「目標未達だった」とかいうケースがほとんどです。このためKPIの設定は近年重要視されてきており、ますますこのKPI設定が組織のパフォーマンスを評価するポイントともなってきています。
なお、KPIについてはこちらにも解説がありますので参考にしてみてください。

品質方針とKPI
ここでは、品質方針とKPIについて、考え方を学んでいきましょう。品質方針とは企業の品質を高めるための一歩として、品質方針を明確にしておくことが大切です。これは、従業員が方向性を迷うことなく、ある目的を達成させるためにTOPダウンとしての責務...

ただし、品質マネジメントシステム(QMS)で求められているKPIは「有効性」と「効率性」に着目している必要があります。
これはなぜかというと、プロセスにはインプットとアウトプットがあって、組織のアウトプットに対して、どのようなパフォーマンスをしているかを明確に測定していくことが必要視されているからなんです。

では、この「有効性」や「効率性」ってどのような形で設定すればよいのでしょうか。
簡単に言えば、下図にあるように、アウトプットとしてできた成果物や結果をプロセスアプローチで検討してきた「インプット」や「誰が」「何を用いて」のリソース類に対して適切に評価するといったことになります。
プロセスアプローチについては過去の記事のこちらなどを参考にしてみてください。

タートル図
タートル図とは、モノづくりの流れの中で、個々に分けられたフェーズをもとに、「プロセス」として明確化された業務分野について、アウトプットを如何に効率よく運営していくか、また見える化するかを示したチャートとなります。必ずしも必須とは限りませんが...
プロセスアプローチ
ここまでは、プロセスについてのお話をしてきました。過去の「プロセスとは」については、インプットとアウトプットにもフォーカスを当てて、業務の内容や流れを明確にすることで、そのあり方を見える化することにあります。こちらは下記も参照いただけると基...

まず、その前提となる「適合性」について考えてみましょう。

適合性

こちらについては、「アウトプット」となる出来栄えや結果について、「インプット」側の要求事項に合致しているかを測ることとなります。
要求事項といっても顧客の要求事項であったり、組織としての要求事項であったり、製品の要求事項であったり、さらには法規・規制などであったりと様々です。これらが確実に準じていることを検証していかなければなりません。

つまり、「出来栄え・結果」は要求事項に合致していることが望ましく、基本的には100%にしていかなければなりません。
仮に100%でないとすると、それは何らかの逸脱になりかねません。このインジケータはそれを確認して、乖離があれば、アウトプットが適合するように軌道修正するか、元に返って要求事項側で修正可能な項目があるかを検討することとなります。場合によっては顧客要求事項などについて顧客と再整合しなければなりません。

有効性

つぎに「有効性」ですが、こちらは目標や計画を分母として出来栄えや結果を測るという形になります。いわゆる計画の進捗度合い、つまり達成度や、出来た成果物の成果が如何にインプットとなる初期の決め事と合致しているかを測るということです。

有効性:目標や計画の進捗に対して出来栄えや結果がどうであったか(分母が目標・計画で分子が結果)

例えば、設計計画や信頼性試験計画の進捗率、工程内不良の目標値に対する達成度、製品出荷後の返却率など本来確実に予定に対して実績が伴わないといけないアイテムに対しても、そのパフォーマンスの測定はプロセスとしては重要なものとなります。

モノづくりの品質を語っていく際には、このインジケータは重要視されます。つまり、計画通り作られているのか、あらかじめ決めたとおりの出来栄えや結果が得られているのか、それぞれのプロセスにおいてのパフォーマンスとして定義した数値目標としての機能を発揮しているか評価されることになります。

このため、一般的に言われるKPIとは、この「有効性」を示すことが最も適切と言われていますし、品質方針においてもこの有効性を示すことは重要なファクターのひとつとなります。

効率性

こちらは、必ずしも必要視されているインジケータではありませんが、それぞれのプロセスを運用する上で重要です。人のパフォーマンスが十分であるか、設備などのリソースはモノづくりとして適切に準備や配備されているのか、必要な予算に対して適切な活動ができているのかなどは、出来栄えや結果にも左右される需要なファクターとなります。

効率性:投入したリソースに対する出来栄えや結果の程度(分母が資源で分子が結果)

これは自動車関連のIATF16949ではマネジメントレビューの観点では必須事項ですので注意が必要です。

このように、モノづくりの品質に関わるパフォーマンスは、個々のプロセスにおいても必然的にアウトプットとなる出来栄えや結果に対して確実に品質方針を決めてKPIの設定を行わないといけません。
こちらはKPI設定後について定期的なレビューの必要性についても説明していますので参考にしてください。

品質方針は計画的に・・・
定期的なレビュー品質方針を決めました。そしてKPIを定めました。そしてみんながそれに向かって進みましょう。。。としたとき、これらは定期的にウォッチしていますか?そして、このウォッチは、どんな人が、どんなタイミングで、何を確認していますか。大...

その中でも「有効性」や「効率」に視点をおいてKPIを設定することは大切なことであることがご理解いただけたでしょうか。

特に、「有効性」においてはISO9001では重要なパフォーマンスであり、必ずと言って問われる事項となりますので、確実に設定できるように検討して行きましょう。

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