仕様管理

品質システム

ここでは、自社で取り決めたスペックや顧客要求に基づいたCSR(顧客固有要求事項)やCR(顧客要求事項)の管理ポイントについて確認していきましょう。

基本的には概ね理解して、わかってプロセスを実行しているものと認識したいものですが、QMS(品質マネジメントシステム)の監査などでは基本項目として問われることも多いです。正しく運営がなされているようにしておきましょう。

仕様管理の前提

当たり前的なお話で恐縮ですが、まずは管理方法を明確にすることが重要です。

図面や仕様書、入手した顧客要求(CRとCSRとを分けて管理する)などを管理するルールを作っておきます。これらはトップレベルの規程の中にて管理・運営されていることが望ましいです。
そして、入手元(顧客など)からの入手ルート、社内展開方法及びその管理部門(管理者)が明記されていることが必要です。

なお、CSR(顧客固有要求事項)やCR(顧客要求事項)については下記にて違いを述べていますので、ご自身の品質システム上関連するケースにおいては参考にしてみてください。

顧客要求のCSRとCR
顧客要求とは、文字通りモノづくりにおいて、お客様からの要望に対してモノづくりの仕様に反映させる重要なプロセスのひとつです。製品を提供する上でこの要望に即したものでないと顧客満足に直結しませんので、これらの要望に満たせることがモノづくり品質を...

顧客要求/自社スペック

顧客要求

お客様からいただいた顧客要求事項(CR)や顧客特殊要求事項(CSR)は適切な管理ができていますか。

常に顧客志向に立ち、必要な要求事項が整理できているかがポイントとなります。
そして、受領管理と展開管理、確認管理ができていることが望ましいです。

① 受領管理

 言葉の通り、受領日を明確にしておくこと。誰がいつ対応したか後のトラブルにならないよう整理しましょう

② 展開管理

 CR/CSR、スペックなどは技術管理上の秘匿書類となりえますが、必要な部門には配布しないとモノづくりは        できません。このため、配布先管理と十分なセキュリティ管理が必要となります。あとに続く内容の確認管理とともにどの部門の誰にいつ配布したのか、日付やバージョンなども記述されていれば管理対象とし、明確化しておきます。

③ 確認管理

 内容を確認し、技術的に可能なのか、もしくはコストに見合わない仕様なのか、デヴィエーション(逸脱申請)が必要なのか、自分たちの想定している仕様との乖離や実現可能性を十分審議した結果のエビデンスとして整理する必要があります。この際は、営業・資材・設計・生産技術・製造・品証・サービスなどの各部門が寄り集まって構成されるクロスファンクショナルチーム(CFT)によってレビューされることが望ましいです。

 また、確認するツールや手段/手順もルール化されている必要があります。でないと人やチームにより一定の基準の作業品質が確保されません。むしろ、機械的でも良いくらいです。最近ではAIなどの活用もアリでしょうが、判定結果を鵜呑みにすることは危険なことから、人は最終的に確認するなどハイブリッドな形でIT化を進めて確実な管理につなげて行きましょう。

このようにして顧客要求に対応します。

自社スペック

まずは自社スペックですが、これらは社内ルールに基づいて、機能・性能・信頼性・検査基準などを整理して文書化していますでしょうか。
そして、これらは顧客の要求があれば合致したものでしょうか。

ここがモノづくり品質を定義する上での「適合性」に依存してきます。

顧客や市場の要求製品のスペック製品の検査基準実際の検査結果

となるようなしくみづくりが大切です。

最新版管理

常に最新版が管理されていることが前提です。

受領管理においては、最新のバージョンが確実に展開されていることを管理しましょう。
また、これまで運用してきた内容との変化点を確認し、この変化点が受け入れられるのかどうか、CFTにも協力要請しながら確認管理しておくことが望ましいです。

確認結果は、プロセスの承認者が承認することとして変化点プロセスへのインプットとして進めます。

CSRのところでも述べましたが、近年、製造条件や検査条件など厳しく管理され、要求されるケースも多々あります。

このため、適切な展開/共有ができているのか監視/フィードバックする体制も整えましょう。

運営のコツ

このように運営していきますが、仕様の内容や仕様に変更があった場合、仕様に問題点がないかを確認し、フォードバックする規程があることが前提です。確実にこれらのプロセスはルール化しておきましょう。

具体的には、しっかり顧客ごとにリスト化されていることが望ましいですね。特にCSRは顧客ごとに言ってくる要求が異なりますので、その中でバージョンの管理をはじめとする受領管理、展開管理、確認管理を見える化するようにして行きましょう。

最後に、内容に疑義があれば、デヴィエーション(逸脱申請)が必要とも書きましたが、技術的なのかコスト的なのか十分な審議をした上で、ロジカルな回答を顧客と協議できるように整理しましょう。特にコストの内容などは隠して起きない内容もあるかと思います。でも、ここで不誠実性があるとお互いの信頼が損なわれます。過去に何回か出くわしたことがありますが、不誠実は何となくわかったりします。思惑も見え隠れします。そういうお客さまとはお付き合いしたくないし、一緒にタッグを組むサプライヤさんにおいても信用が置けないので、次のビジネスで採用されないケースも少なくありません。敢えて言わないケースはあっても、ごまかしたり本来の目的と異なるような回答をしてはいけません。正しく誠実に真摯な対応をしましょう。

まとめ

仕様管理は、当たり前のところがありますが、保管は正しくできていても、その後の展開管理や確認管理がルール化されているかは、QMS(品質マネジメントシステム)上の重要なカギとなります。
ここで、モノづくり品質の大きな差が出てくることも事実で、かくいう私自身も100点満点かと問われると、まだまだやるべきことや課題点もたくさんあるようにも感じますし、それぞれも管理方法もあることも事実ですが、上記の管理/運営を行っていることで及第点は必要十分と認識しています。

常に、このあたりは継続的改善なども必要となってきますが、プロセスとして正しく管理できていることが主張できることが最も重要で、かつこれらが顧客満足につながること(すなわち製品仕様として顧客や市場との齟齬に至らない)に留意して正しく管理していくことを念頭に進めて行きましょう。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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